さて昨日の花組公演の感想です。
前置きとして私が宝塚トップスターに求めるものを書いてみると・・・。
『歌』『ダンス』『演技』のどれを重視して宝塚を見るかと言われたら、私が見るのは
『ダンス』。しかしトップスターに求める第一は『歌』です。
宝塚という特殊な舞台の世界ではトップスターが群舞の真ん中で踊り、芝居では主役、
歌もソロでたくさん歌います。
ダンスはね上手い人が脇で踊ってたりしたらそっちを見ればいいから真ん中の人が
一番上手じゃなくても許せます。それにある程度は踊れる集団なので目を覆うほど
ひどい人がトップスターになることもないと思ってます。
演技も流れをぶったぎるような大根役者はさすがにトップになれません。
しかし、歌は・・・なぜか歌は下手という人がたま~にいるのです。しかも歌はいやでも
耳から入ってくるので避けようがありません。
名前はここには書きませんが、地方公演見に行ってトップスターが歌で登場した途端
椅子の上でずっこけたことがあります。
で、昨日の花組ですがトップスターの春野寿美礼さんは歌には定評のある方なので
安心して見ることができました。
すみれさんの生の舞台を見るのはトップになる前に見た地方公演の『あさきゆめみし』
以来です。
立派なトップスターになられて光り輝いているようでした。
「マラケシュ~紅の墓標」
お芝居はモロッコのマラケシュが舞台。モチーフが薔薇、象徴的に出てくるのが蛇、
そして砂漠。
そこで偶然集うことになってしまった男女たちが実は過去にパリでも・・・というお話です。
また砂漠(=死)が向こうにあるだけの最後の砦のような街(マラケシュ)で「ここしか
居場所がない」とやってきた人々、「ここは自分の居場所じゃない」ともがく人々、
さらにその人々を愛してしまった恋人たちの話でもあります。
なんの予習もせずに見たけどそういうことなんだと思う・・・。
うーん。ちゃんと書くのって難しい・・・。
専科の矢代さんと組長の夏美さんの大人の会話がすごいよかったです。
かつて愛した恋人同士が時を経てああいう風に会話できるなんて洒落てます。
矢代さんが歌ってる最後で舞台から落ちたのには驚きましたが・・・。
とっさの判断で舞台前のライトに落ちそうになったのを飛び越えて下に飛び降りた
みたいですが、その後何事もなかったかのように袖にはけていった姿に「さすが女優」
と感心しました。
「蛇」の役は全くセリフなしで踊りだけですが印象に残りました。
鈴懸さんは素晴らしい!ショーでも大活躍でした。
オリガの夫役は未涼さん。真面目で性格のよい年下夫って感じでした。
年下でもストーリー上問題ないです。
「パリで一旗あげたい」と野心を持つレオンは樹里ちゃんから彩吹さんに。
主役の春野さんとのやりとりは見ごたえありました。
イヴェット役は若手娘役の華城さん。スタイル抜群!何年後かが楽しみ。
パリ時代が設定上18歳くらいじゃないと見た目若すぎだけど、きれいなので許します。
人妻オリガは先日退団を発表した娘役トップのふづきさん。
しっとりした雰囲気が人妻役にぴったりでした。控えめで貞淑な年上妻だったんですね。
(あくまでも年下夫ということにしておきたい)
リュドヴィーク(主役の役名)に自分と似た空虚さを感じて惹かれていく・・・でも夫の
行方も心配・・・という難しい役だと思いました。
とりあえずここまで。
ショーのことはまた別記事にして明日書きます。