再びこの季節がやってきた。私の誕生日、赤ちゃんの誕生日、命日。
1年はあっという間だった気もするし、長かったような気もする。赤ちゃんとお別れする
までの数日間のことはとても鮮明に覚えているが、妊娠中のことは遠い昔の出来事の
ようだ。赤ちゃんは確かに存在していたはずなのに、自分が「妊娠していた」という事が
信じられない。一方で「赤ちゃんが予定日どおりに産まれていたら・・・」ということを想
像する私もいる。外出先で赤ちゃんを見かけると「これぐらいかなぁ・・・」と思ったり、赤
ちゃんとパパ・ママの幸せそうな姿を見ると「私たちもああなるはずだったのに・・・」と胸
が痛くなる。
「一回妊娠したんだからすぐに次も妊娠するよ」とたくさんの人が励ましのつもりで言っ
てくれた。「そんなわけないだろう」と心の中で思いながらもその言葉を心のよりどころ
にしていた。私にとっての「すぐ」というのは1年以内ということだったが、「すぐ」に妊娠
する事はなく現在にいたっている。
焦るのは精神的にも良くないというの
は分かっているのに今の私はものすごく焦っている。ものすごく妊娠したいし、元気に
産まれた赤ちゃんをこの手に抱きたい、子育てがしたい。この先、二度と妊娠する事が
なかったら・・・と考えると涙が出そうになる。昨夏から再び不妊治療を始めているが、
自分の体が思い通りにならないのがもどかしいし腹立たしい。早く赤ちゃん天使をお兄
ちゃんにさせてあげたいけれど、いつになることか分からない。
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赤ちゃんは自分の命と引き換えにたくさんの人たちとの出会いを与えてくれた。web上
で天使ママさんたちと出会えたこと、そして実際に会うことができたことにはとても感謝
している。この1年で新しい友達もたくさんできたし、昔の友人たちに再会する事もでき
た。失ったものは大きかったけれど、得たものも多かった。転んでもただでは起き上が
らんぞ!
自分が不妊症になって初めて子供が欲しいのに出来ないつらさが分かった。自分が赤
ちゃんを失って初めてそのつらさが分かった。周りの人のはげましのつもりの言葉がぐ
さっと突き刺さったり、何気ない一言にカチンと来たりした。痛みが分かるからこそ私は
自分の言葉の一言一言に気をつけていかないといけない。
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赤ちゃんの誕生日である3月27日と予定日だった7月7日。これからもずっと私はこの
日にとらわれ続けるだろう。